生協の取り組み
食品の安全を巡る動きと
生協の取り組みの歴史について
生活協同組合法の成立
1948年に消費生活協同組合法が成立・施行されました。1951年には日本生協連が設立され、1957年には「家計活動」「商品研究活動」「食生活改善活動」などの取り組みを開始しました。
食品の安全への不安が大きかった時代
1950~60年代、国内で食品の安全をめぐる大きな事件が発生しました。
森永ヒ素ミルク中毒事件では多くの乳児が被害者となりました。その後も水俣病やカネミ油症事件など、食品を介した健康被害や、公害間題、農薬による事故なども発生しました。
高度経済成長期、合成着色料や合成保存料をはじめとする食品添加物が大量に使用され始めましたが、必要がないと思われる添加物が使われたり、一度許可された添加物が、安全性に問題があることが判明して禁止されるなど、消費者の不安は高まりました。
こうした状況の中、1960年代から、各地で、生協の食品の安全・安心を求める活動が盛んになりました。
目指してきたのは、
誰もが安心できる社会
1990年代後半、日本で遺伝子組換え食品が承認され、大きな話題となりました。生協では、消費者が選択できるようにするための表示に取り組みました。また、行政や社会に対し、食品安全行政の整備を求める活動なども行い、社会全体で、食品の安全性が確保されることを目指してきました。
2000年代、雪印乳業による大規模な食中毒事故、国内で初のBSE感染牛が発見されました。これらの問題を受けて、食品安全行政が整備される中で、全国の生協の署名運動が大きな力となり、食品安全基本法の制定や、食品安全委員会の設置につながりました。
コープ東北サンネット事集連合の
設立と、食品安全の取り組み
コープ東北サンネット事業連合は1995年に、いわて生協、共立社、みやぎ生協によって設立され、経理システムや商品事業を中心に、共同で事業をすすめてきました。
生恊でも、2007年にCOOP牛肉コロッケで牛挽肉の原材料を偽装したミートホープ事件が発生、2008年には、COOP手作り餃子への農薬混入事件が発生し、生協の品質管理が厳しく問われるとともに、内部の連絡の不備から事件の予兆を見逃したことについて、社会から厳しい目が向けられました。この反省から、全国の生協で、お申し出情報を共有化し、予兆を見逃さない仕組みづくりを行いました。コープ東北でも、共通のマニュアルとお申し出情の管理を開始しました。
コープ東北は現在、東北6県の9生協が加盟する事業連合となっています。食品の安全にかかわる業務も少しずつ統一してきました。
2013年度には、日本生協連の「CO・OPにおける化学物質のリスク管理政策」の答申を受けて、コープ東北会員生筋の代表者による検討会で食品添加物自主基準の見直しを行いました。
1940年代 | |||
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1947年 |
食品衛生法制定 |
1950年代 | |||
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1955年 |
森永ヒ素ミルク中毒事件 |
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1956年 |
水俣病 |
1960年代 | |||
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1960年 |
コープ商品開発開始(コープバター) |
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1968年 |
カネミ油症事件 |
1970年代 |
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1980年代 | |||
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1983年 |
食品添加物11品目指定 |
1983年 |
食品添加物規制緩和反対署名 |
1984年 |
グリコ・森永事件 |
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1985年 |
日本生協連にZリスト委員会設置 |
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1989年 |
食品添加物物質名表示義務化 |
1990年代 | |||
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1995年 |
コープ東北設立 |
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1996年 |
堺市でO-157による食中毒事件 |
1996年 |
牛乳不正製造事件 |
1997年 |
新商品検査室設置 |
2000年代 | |||
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2000年 |
雪印集団食中毒事件 |
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2001年 |
国内で初めてBSE感染牛発見 |
2001年 |
食品衛生法改正と充実強化を求める請願署名 |
2003年 |
食品衛生法改正 食品安全基本法制定 食品安全委員会発足 |
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2007年 | ミートホープ事件 | ||
2008年 |
手作り餃子農薬混入事件 |
2010年代 | |||
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2011年 |
東日本大震災 |
2011年 |
日本生協連と共同で |
2013年 |
アクリフーズ事件 食品表示法制定
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2013年 |
みやぎ生協品質管理本部が
ゲルマニウム半導体検出器を導入し、 |
2014年 | 豚肉の生食規制 | 2014年 | コープ東北食品添加物自主基準改定 |
2015年 | 機能性表示食品制度 | ||
2018年 |
食品衛生法改正
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2019年 |
ゲノム応用食品届出制度 |
2020年代 | |||
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2020年 |
国内で初めて |
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2023年 |
日本生協連が「家庭用品成分基準」を改訂、 コープ東北商品検査センターで行っていた |